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番外編ありがとうな、

「分かった。すぐ行く」 「駄々っ子を頼むな」 「任せておけ。寝込みを襲われないようにちゃんと見張っているから」 二人を見送ったのち柚原さんが地竜さんの顔の隣に腰をゆっくりと下ろした。 「たいくん、ここちゃん、おじちゃんはねんねだ。起きたら遊んでもらおうな」 柚原さんのあとを追って来た太惺と心望に優しく声を掛ける柚原さん。 「し―」と人差し指を唇の前に立てると、二人もそれを真似して「ちぃ―」と可愛らしい声を出して口を両手で隠した。 そのあと二人は胡坐をかいて座る柚原さんの膝の上によじ登りちょこんと座ると瞬きもせずにじーっと地竜さんを見つめた。 「目で訴える作戦か。なるほどな。おじちゃん起きるといいな」 あまりの可愛らしさに柚原さんの表情が緩んだ。 二人の願いが届いたのか固く閉じられていた地竜さんの目蓋が微かにぴくぴくと動いた。 「未知、おいで。一緒に寝よう」 寝言を口にすると何事もなかったようにまたすやすやと寝てしまった。 「たいくん、ここちゃん、おじちゃんの代わりに遊んでやる。おいで」 片膝を立てて座り、両手を広げたのは宋さんだった。

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