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番外編ありがとうな、
「ママに会わせる顔がないはなしだよ。ママ、ずっとゆげさんが帰ってくるのを待っていたんだからね」
「そだごと言っても心の準備がまだだ」
「これから準備すればいいでしょう。ゆげさん早く、早く」
有無言わさず弓削さんの手を引っ張って台所へと連れて行った。
「あれほど頑なだったのにな」
「兄弟揃って素直じゃないし、頑固者だし。一太と優輝がいてくれて良かった」
「そうだな。二人に任せておけば安心だ」
彼と鞠家さんが遠くからその様子を見ていたことに三人は気付いていなかったと思う。
「俺がいない時に限ってなんでこうも客が多いんだ。みずほさんは?」
「ヤスが宿泊先の駅前のビジネスホテルに送っていった。明日ここで姉弟揃って写真を撮影するそうだ」
「そうか。青空と再会するのは時期早々だと思ったが、これで良かったのかよく分からないな」
「青空の迷惑も考えずにしつこくあとを追いかけ回していた。いとさんに会いたいと言い出した」
「今更会ってどうする。それこそ迷惑な話しだ」
「世間知らずの深窓のお嬢様ですからね額田さんは。いとさんの気持ちになれば分かるはずだ。もう二度と会いたくない。関り合いを持ちたくないことくらい」
「いとさんに残された時間はあとわずかだ。離ればなれになっていた家族と再会することが出来て、いまは家族水入らずで過ごしたいはずだ」
二人がそんな会話を交わしていたら、
「兄貴~~!」
あおお兄ちゃんが満面の笑みを浮かべて彼のもとに駆け寄って来た。少し遅れて信孝さんも駆け寄ってきた。
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