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番外編ねえさん、ただいま

「話しは終わりだ。兄貴を返すよ。姐さん、未知、俺らは邪魔みたいだ。たいくんとここちゃんもだ」 森崎さんが立ち上がった。 「森崎さんのことを邪魔になんかしたらオヤジに怒られます。邪魔になんかしませんよ」 「あれおかしいな。顔にそう書いてあるぞ」 森崎さんにからかわれ、ヤスさんが気まずそうに顔をそらした。 「ヤスも飲める口だったよな。確か」 「ちょうど良かった。おまえに聞きたいことがあったんだ」 宋さんと覃さんが満面の笑みを浮かべて手まねした。 「なにを企んでいるんです?」 「別になにも企んでいないぞ」 「本当ですか?」 「そうやってすぐ疑いの目で見るな。コミュニケーションも必要だろ?」 「とかなんとか言ってまた俺の尻を触るんでしょう」 「それは時と場合による」 ニヤリと覃さんが笑った。 「兄貴、森崎にまだ話しがあるんだろ?覃と宋の相手をしてくる」 ヤスさんが部屋を横切って足早に縁側に行こうとしたら、つぶらな瞳でじーっと見つめる太惺と心望の視線にふと気付き立ち止まった。 「俺何かしたか」 「森崎は悪くない。だから落ち込まないで」 「男の焼きもちほどめんどくさいものはない。知ってはいたが、考えが甘かった」 はぁーっと大きなため息をつく森崎さん。

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