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番外編ねえさん、ただいま
「いつもあんな感じなのか?」
「えぇ、これが日常茶飯事ですよ。四六時中仲良しこしよしで、その度に信孝さんに焼きもちを妬かれています」
「恋の三角関係か。さすがはモテ男。俺の自慢の兄貴だ。俺は信孝と違って兄貴と地竜がいちゃついていても焼きもちを妬かないぞ」
「会わないうちにずいぶんとまぁ大人になりましたね。未知さんとナオさんが理解ある伴侶で良かったと何度思ったことか」
「もう十分大人だけどな。橘も気苦労が絶えないな」
「それはお互い様でしょう」
「それもそうだな」
朝御飯の用意をはじめた橘さんを、お茶を飲みながらあおお兄ちゃんが眺めていた。
「蒼生さんは弓削さんたちと一緒に白雪美容室に行くんですか?」
「行きたい気持ちはある。でもな……」
「もしかしてまだ幽霊が苦手なんですか?」
「幽霊というかカミさんというか……危うく口を滑らすところだった。笑いたければ笑え。でもな橘、一つか、二つくらい苦手なものは誰だってあるだろう」
あおお兄ちゃんがバツが悪そうにニヤリと笑った。
「蒼生さん一つお願いしてもいいですか?」
「いいよ」
「未知さんを助け出してください。未知さんだって忙しいんです。あの二人に挟まれて身動きができないでいます。未知さんを愛しているのは分かるんですけどね、昼まで離さないつもりかもしれません」
「分かった。可愛い妹の為だ。任せておけ」
あおお兄ちゃんがお茶をぐいを飲んだ。
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