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番外編ねえさん、ただいま

「柚原、教えてもらいたいことがある」 神妙な面持ちで柚原さんに駆け寄る弓削さん。嫌な予感がした柚原さんは思わず一歩後ろに下がった。 「過足としおは?」 「帰った。ヤスは佐治と一緒にゆきうさぎ丸で配達に出掛けた。おぃ、逃げんなよ」 「逃げてねぇよ。気のせいだろう。それで俺に教えてもらいたいことってなんだ?」 「ヤスがぜんぜん口を聞いてくれないんだ。俺なんかしたか?」 「あのな……」 恋愛に関しては疎い弓削さん。 「あと、朴念仁ってどういう意味だ?」 「携帯で調べてみろ……あ、そうだった。携帯がなかったんだな」 ねえさんしか眼中にないお前にどう説明したら分かってくれるんだ? ヤスは焼きもちを妬くくらいお前が好きなんだぞ。好きっていう気持ちがただ漏れなのに。なぜそれにお前は気付かないんだ。 野生の勘ともいえるそのアンテナ、敵にじゃなく、この際だ。自分の恋愛に向けたらどうだ? いろんなモノをいままで拾ってきた癖に。なんでお前はヤスの恋心を拾ってやらないんだよ。 柚原さんが額に手をおいて大きなため息をついた。

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