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番外編恋の吊り橋作戦

「ハツさんに花を買いたいなって思って」 「がおって東京の病院に入院しているって上澤先生から聞いて、心配していたのよ」 女性と弓削さんは知り合いのようだった。 「壱東、ここは路駐禁止だ。春神楼の駐車場に停めて待っててくれ。そっちのほうが広い」 「いいんですか?」 「彼女の倅が店長をしている」 「なるほど」 「玲士付き合え」 弓削さんが颯爽と車から降りると、玲士さんもあとに続いた。 「あれま珍しい。ヤスさん以外の若い人を連れてくるなんて」 「彼は新入りの玲士だ」 「れ、玲士です。宜しくお願いします」 甲崎と言い掛けて、弓削さんに合わせたほうがいいんじゃないかと咄嗟の判断で言い直すと軽く頭を下げた。 「彼女は鈴木寿々子さん。ハツさんの同級生だ」 「はじめまして鈴木です。ご近所さんみんな鈴木だから寿々子って呼んでくださいね」 ニコニコと笑っていて人当たりのよさそうな女性だった。 「久弥さんが帰ってきてくれたのにね。なんでこうなっちゃったのかしらね」 「本当にそうですね」 ハツさんが好きだった黄色のガーベラをメインに花束を作ってもらう弓削さん。 「玲士、悪い。電話が掛かってきた」 携帯を耳にあてながら店の外に出る弓削さん。

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