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番外編恋の吊り橋作戦
男は無表情で花束を見下ろすと、ニタっと笑って踏みつけた。
「テメェ―」
弓削さんが男を睨み付けた。
「邪魔なところにあるのが悪いんだろ?どけ若造!」
さも自分は悪くないと言わんばかりに怒鳴り散らす男。どんなに脅されても弓削さんはちょっとやそっとじゃ動じない。何者だコイツ?男は訝しげに首をかしげながら、背後にいる舎弟たちにチラッと目を向けた。
「見ねぇツラだな。お前どこの組のモンだ?なんで菱沼組の腑抜けどもと一緒にいる」
弓削さんは答えなかった。
「弓削さん、彼が吉柳会のカドタです」
玲士さんが耳元で囁いた。
「へぇ~~コイツがか」
くすりと笑う弓削さん。
「おぃ、テメェ―兄貴に喧嘩を売ってんのか?」
男の背後からぬっと現れた男たちが喚き散らすと、
「ガタガタうっつぁし。狭いところで騒ぐんじゃねぇ。近所迷惑だ」
ドスのきいた低い声がフロア中に響き渡った。
「カドタさん白雪美容室は俺が管理してんだよそ者にとやかく言われる筋合いはねぇ」
「兄貴に向かってなんだその口の聞き方は」
「いい気になるなよおっさん。兄貴はな」
「おぃ、お前ら」
カドタさんが止めた。
「兄貴はな、なんだ?俺には神政会と槇島がついているからなにをしても許されるんだ、俺は偉いんだぞ、とでも言いたいのだろう」
弓削さんの言葉にカドタさんが動揺する素振りを見せた。
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