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番外編恋の吊り橋作戦

「何が出たんだ」 ガタガタと震えながらドアのほうを指差す舎弟。 「こんな明るいときに出る幽霊なんかいるわけ……」 ヤスさんがなにかに気付き言葉を止めた。 「玲士、悪いが見てきてくれないか?」 「なんで俺なんですか?」 「お前しかいないだろ。このなかで肝っ玉が座っているのは」 オヤジと兄貴の命令は絶対だ。異を唱えることは出来ない。玲士さんは足を止め、下りてきた階段をまた上っていった。 まだ誰かいる。人の気配を感じ取った玲士さん。 白雪美容室を素通りし、隣のテナント募集中という貼り紙が貼ってあるドアの前に立った。ドアはバールみたいなのでこじ開けた形跡が残っていた。昨日来たときは異常はなかった。火を消すために壊したのかも知れない。おっかなびっくりドアを開けると、中にいたのは意外な人だった。 「あの、何をやっているんですか?」 冷めた目をその人に向ける玲士さん。 「おぉ~~誰かと思ったらレジじゃないか」 「兄貴たちを怖がらせて楽しんでいたんですか?俺がどんだけ怖い思いをしたか、分かります?それと、俺の名前は玲士です。なんでもかんでも短くすればいいってものじゃないですよ」 「そういうつもりではない。レジでは不服か。そうか、それならレ―ジって呼ぶか?」 悪びれる様子もなく、にかっと笑ったのは宋さんその人だった。

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