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番外編 恋の吊り橋作戦

「写真を確認にな」 「写真?」 「ほれ」宋さんが携帯を操作し見せてくれたのはすぐ目の前にある丸い窓に写る黒い影だった。 「それ、昨日だ。レジがいたときだ。良かったな、襲われなくて。ここに連れ込まれたら最後。亜優とバイバイだったな」 「俺みたいな男を襲う男なんていませんよ」 「ここにいるぞ」 真顔ですっと右手を挙げる宋さん。 「ためしに今から襲うか?」 「それだけはお断りします」 さすがの玲士さんもどう対応していいか戸惑っているようだった。 「隣でなにか始まって出るにも出れなくなってな。顔を見られたらマズいだろ?どうしようかと悩んでいたらそしたら」 指をパチンと鳴らす宋さん。 「弓削、ナイス。さすがだな」 「それは良かったですね」 「お陰で助かった」 宋さんがふと窓のほうを見た。 「曇ってきたな。一雨来そうだ。一緒に雨宿りといくか?」 「俺は帰ります。兄貴たちを待たせるわけにはいかないので」 「こんなところに俺を一人ぼっちにして置いていくのか?薄情な男だとは知っていたが、こんなにも冷たいとは……卯月とはえらい違いだ」 目を潤ませる宋さん。 「ずっと思っていたんですけど宋さんって誰にでもなれるし、演技もすごく上手ですよね。それにその甘いルックスと抜群のスタイル。モデルや俳優になりたいって思わなかったんですか?女性もほっとかないはずです。モテモテだったんでしょう?」 「さぁ~~な」 宋さんがふふっと笑った。

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