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番外編恋の吊り橋作戦
「弓削、おめさんらも早く撤収しっせ」
宋さんに腕をつかまれ、そのまま連れていかれる玲士さん。
「宋、痛いからこの手を離してくれ」
「やだね」
「そう言わず、頼むよ」
「弓削は花言葉の意味を知らない。誰の差し金だ。ヤスに聞かれて弓削のことだ。お前を庇って適当に選んだとでも答えるだろう。ヤスだって馬鹿じゃない。鵜呑みにはしない」
「もしかして見ていたのか?」
「たまたま見えただけだ。レジがいたんでは余計に話しがこじれる。いないほうがいい。焼きもちやきほどめんどくさいものははい。本当に降ってきたな」
大粒の雨がポツリポツリと降ってきて、たまたま目に入ったド―ナツ屋さんに急いで入る二人。
レジで並んでいた女子高生の集団が二人をチラチラと見てはひそひそ話をしていた。
「お互い彼氏持ちと知ったらどんな反応をするんだろうな」
宋さんがにかっと笑んだ。
「噂をすれば影です。若林さんでしたっけ?彼氏さんいたりして」
「それはそれで怖いぞ」
あれこそ悩まずトレイにド―ナツを次から次に乗せていく宋さん。レジでコ―ヒ―を二つ注文し会計を済ませると、
「シェ、シェ」
とにっこりと店員に向かって微笑んだ。
相変わらず罪な男だ。玲士さんがボソリと呟いた。
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