3769 / 4048
番外編恋の吊り橋作戦
「あれ?もしかして宋さんですか?」
「おぉ~~和真じゃないか。こんなところで会うとは。奇遇だな」
「いつもと格好が違うので一瞬誰かと思いましたよ。急に雨が降ってきたので雨宿りです」
「そうか。俺らもだ」
四人掛けの席に一人で座っていたのは若草色の作業着を着た和真さんだった。
「良かったらどうぞ」
「すまんな」
宋さんと玲士さんが並んで腰を下ろすと、店員がコ―ヒ―を運んできてくれた。警戒しながらちらちらと玲士さんを見る和真さん。
「もしかして会うのははじめましてか?」
「はい。宋さんの部下の方かなって」
「俺は基本一匹狼だ。彼はレジ。いずれは卯月の婿になる」
和真さんはしばらく考えたのち、
「もしかして玲士さんですか?お名前は卯月さんから聞いていました。亜優さんの伴侶にと、縣一家からもらい受けたって。貴方がそうなんですね。朝宮和真です」
名刺入れから名刺を取り出すと玲士さんに差し出した。
「名刺は持ち合わせてなくてすみません。甲崎玲士といいます。宜しくお願いします」
「和真は上場企業だったオ―クポリマーを辞めて、町工場の須釜製作所に再就職したんだ。いきなり副社長だ。努力家でスゴい男だ。新婚ほやほやだ」
宋さんが和真さんの代わりに玲士さんに説明した。
ともだちにシェアしよう!

