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番外編恋の吊り橋作戦

元公務員で兄はマルボウのデカだ。異色の経歴の持ち主だと彼から聞かされていたからどんな人なんだろうと、和真さんは玲士さんに会うのをずっと楽しみにしていた。彼に会いにいけば会わせてもらえるのは分かってはいるけど、彼のまわりにいる彼を愛してやまない人たちから睨まれるからどうしても気が進まなかった。柚原さんや橘さんがいれば少しは違うけどいつもいるとは限らないし。躊躇していたらいつの間にか会うタイミングを逃していた。だからこそここで会えて良かったのかも知れない。 「玲士、兄貴にはちゃんと会ったことを報告しておけよ」 「はい、分かりました」 「それとな名刺もちゃんと作ってもらえ」 「はい」 「あとな」 和真さんがぷぷっと笑い出した。 「すみません。宋さんの子分にしか見えなくて。つい」 「俺なんかの子分になったら命がいくつあっても足りないぞ。爆弾を背負って玉砕する覚悟がなければやっていられない。こうしている間にも命を狙っている連中がいるかも知れないしな」 宋さんが鋭い眼差しを窓から見える大通りに向けた。 「いいか玲士、黒竜と教団だけじゃない、ひかりのみこにも柚原と同じプロの殺し屋がいる。弓削はそれを知った上で、未知の盾になった。お前は一太の盾になれ。命に代えても守るんだ」

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