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番外編恋の吊り橋作戦

「ガキがってどうした?」 「坊っちゃんくらいのガキが一番偉い人に会わせて下さいって来てるんですよ。どうします?追い返そうとも思ったんですが、座り込んで頑として動かないんですよ」 「この暑さだ。中に入れてやれ。オヤジには俺から言っておく」 「俺が行きます。ヤス、お前のほうが子どもの扱いに慣れているだろう。くれぐれも怖がらせるなよ」 柚原さんが動くより弓削さんが先に動いた。 ヤスさんの後ろをビクビクしながら、あたりをキョロキョロしながら入ってきたのは一太と同じ年頃の男の子だった。髪はボサボサで服も汚れていて良く見ると裸足だった。この暑さにも関わらずなぜか長袖を着ていたから、ヤスさんが暑くねぇのか?と言いながら袖をそっと捲ると、腕が異様に細くて骨と皮の状態だった。 「弟を助けてくれてありがとう」 男の子と目が合うなりぺこりと頭を下げられた。 「助けたのは僕じゃなくて病院の先生たちだよ」 「そうなんですか?」 きょとんとする男の子。 「サツに連絡しろ」 彼が若い衆に指示をしながら戻ってきた。 「おじちゃんが一番えらいひとですか?」 「あぁ、そうだ」 「弟を助けてくれてありがとう」 頭をペコッと下げた。 「よく頑張ったな。一命を取り留めてよかった。なぁ、ボウズ。腹減ってないか?」 一瞬躊躇したあと、全然空いてないよと笑って答える男の子。でもそのすぐあとでぐるぐる、ぐぅーとお腹が派手に鳴った。 「腹は正直だな」 彼が男の子をひょいと片腕で抱きあげると縁側に座らせた。 「未知、悪いがおにぎりを作ってくれないか?持たせてやりたい」 「うん。分かった」 急いで台所に向かった。

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