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番外編 恋の吊り橋作戦
「コイツ誉じゃないのか?」
「誉だと」
彼が驚くのも無理はない。
「すっかり消息不明になっていたからな。無事で良かったと手放しでは喜べないがな。そうなるとまわりにいるのは槇島の手下たちか。なるほどな、だからどこかで見たことがあるツラだったんだな」
「カドタの舎弟たちがぺこぺこと頭を下げていた理由もこれで良く分かった。それにしても何をしに来たんだ」
「元カレに新しい彼氏ができたと風の噂で耳にして相手がどんな人か気になって様子を見に来たんじゃないか。久弥に対して強い執着心と異常なまでの独占欲を持っていたんだ。そうすんなり諦めるわけがない」
すぐに森崎さんに電話をかける彼。誉さんによく似た男が駅前にいたから警戒するように連絡をした。もし会っても自分からは手を出すな。挑発されて煽られても先に手を出したら負けだ。無視しろ。そう口酸っぱくアドバイスした。
「いつまで久弥につきまとう気なんだろうな。久弥はトラウマを抱えながらも懸命に前に進もうとしているのに、誉は過去に囚われたまま。また同じことを久弥にしようとしている。なんでそっとしておいてくれないのかな」
電話を切ると深いため息をついた。
「よっぽど久弥に惚れでるだど?かだってんでねえ。くらすけっぞ」
弓削さんの声が後ろから聞こえて来て。どきっとして振り返ったら憮然とした表情で立っていたからびっくりして声をあげそうになった。
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