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番外編恋の吊り橋作戦
「柚原って今、どういう立ち位置にいるんだ?」
「私の夫で専業主夫ですよ。カタギですよ。申し遅れましたが今月からですが、一応阿部法律事務所の非常勤弁護士ってことになってます。事実を言っても誰も信じずさらにヒートアップしてコメント欄が荒れるだけです。火に油を注ぐようなものです」
猟友会のメンバーに現役のヤクザがいる。名指しこそしなかったけど、三十代のメンバーは柚原さんしかいないもの。
「柚原さんは隠し事と曲がったことは嫌いですからね。入会するときに他のメンバーにはちゃんと分かるように説明はしましたよ。度会さんの古くからの友人もいらっしゃるみたいですし」
「ほっとくのが一番だな」
「えぇ。阿部さんと吉村さんもそう言ってます。心配してメールを寄越してくれました」
「兄貴も橘も人に恵まれている」
「そういう蒼生さんこそ。千里は果報者です」
「もしかして褒められている?なんか照れるな」
あおお兄ちゃんが髪をくしゃくしゃと掻いた。
「カシラ、組事務所に至急戻ってください」
若い衆が鞠家さんを呼びにきた。
「どうした?黒ずくめの連中が押し掛けてきたか?」
「なんで分かったんですか?さすがはカシラ」
「褒めても何も出ねぇぞ」
鞠家さんがたまたま偶然近くにいたヤスさんの手を掴み、
「付き合え」
そう短く言うと有無言わさず連れて行ってしまった。
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