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番外編恋の吊り橋作戦
「ここにさっさと金を入れろって言ってんの。違法な取り立てで得たどうせ汚い金だろ?鞠家は?いないの?余所者のあんたとは喋りたくないからさっさと鞠家を呼べよ」
100万と金額だけが書かれた領収書と募金箱を机の上にどんと置く誉さん。お酒の匂いがぷんぷんしていた。
「坊ちゃん、まずは日本語の正しい使い方を学ぶことから始めませんか?それと募金箱には用途があります。正しく使いましょうね」
「おっさんさ、俺の事馬鹿にしてんの?」
「そんな滅相もない」
余裕綽々の森崎さん。
「竜崎組を破門になったのもしかしておっさん?暇を持て余して行き場がないならマブダチのダオレンにでも頼んでやろうか?死ぬまで飼い殺しにしてやれって。俺って優しいだろ?」
キャハハと腹を抱えて馬鹿にするように笑い出す誉さん。
「カタギの久弥とは一生一緒にはなれない。だからヤクザを辞めたまでですよ。坊ちゃんみたいな放蕩息子が本家筋にいるから千里と蒼生は多くの辛酸をなめてきた。坊ちゃんには一生分からないでしょうね。自分がダオレンとまゆこにいいように飼い殺しにされているということに。世間知らずの坊ちゃんには久弥を渡しませんよ」
長い脚を組む森崎さん。笑ってはいたけど目は笑っていなかった。
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