3801 / 4006

番外編恋の吊り橋作戦

「おっさんが久弥の?マジか」 「何か不都合でも?」 「だからこんなおっさんに捕まって、久弥がかわいそうだと思ったんだよ。年、離れすぎだろ?久弥も久弥だよ、俺がいながら。こんなおっさんのどこがいいんだが」 眉間に皺がどんどん寄っていく森崎さん。 「オヤジとねえさんも年が離れている。きみより森崎さんのほうが久弥にお似合いだと俺は思うよ」 刺のある言い方をわざとしながら炭酸飲料のペットボトルを誉さんの前にどんと置くヤスさん。 「炭酸飲料が飲みたいならこれからは自分で買ってこい。そんなんでうちの若いのを使ってもらったら困る。ここは本部じゃねぇんだぞ」 「うわぁ~~怖い~~」 誉さんの傍若無人な振る舞いに森崎さんもヤスさんもほとほと手を焼いて困っていると思ったけど、二人にしてみればそうでもなかったみたい。さすがは僕より人生経験が豊富なだけはある。 「お前ら随分と若いな。大学生か?死ぬまでシェドとまゆこに身も心も捧げるのもいいが搾取される人生になるぞ。骨と皮になっても搾り取られる。それでいいのか?今ならまだ引き返せるぞ」 ひかりのみことこころやすらぎから家族を取り戻すべく活動を行っている団体のQRコードがついた名刺をペットボトルの飲み物と一緒に彼らに渡すヤスさん。誉さんは余計なことをするなと怒りだしたけど二人はさほど気にしていなかった。

ともだちにシェアしよう!