3802 / 4006

番外編恋の吊り橋作戦

「営業妨害だ。用事が終わったならさっさと帰ってくれ」 森崎さんが誉さんを睨み付けた。 「そうか、おっさんが辞めたってことは竜崎組をぶっ潰すなら今か」 「残念ながら俺はねえさんの弾よけだ。俺が辞めたところでなにも変わらない。渋川はいうことを聞かないし、吉柳会も好き勝手にやっている。思い通りにならないからむしゃむしゃしているんだろ?坊ちゃん、大人になりましょうよ。でないと青二才と舐められますよ」 「てめぇーー」 森崎さんに食って掛かり胸ぐらを掴む誉さん。 それに対し森崎さんはニヤリと笑うとやんわりと手で払った。 「お客さまがお帰りだ」 警備担当の舎弟たちが集まってきた。 「これは不要だな」 誉さんの目の前で領収証をびりびりと破った。 「久弥が坊ちゃんから逃げて来たから出会たようなものです。それに関しては感謝していますよ。久弥は私が幸せにしますので心配無用です」 森崎さんの満面の笑顔に背筋が凍る思いをしてようやくダオレンさんの言葉を思い出した誉さん。関わったらヤバイヤツじゃん、コイツ。さぁーっと血の気が引いた。 誉さんが廊下に出ると警察署から逃げ出したあの男の子が勢いよく誉さんの懐に飛び込んできた。 「おぃガキ、命が惜しかったらソイツからさっさと離れろ!」 コウジさんが声を張り上げた。

ともだちにシェアしよう!