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番外編恋の吊り橋作戦

「俺はてっきり子どもに付き添って病院に一緒に行くと思っていたぞ」 「ままたんご指名だからな。俺がついていっても役に立たない。泣かれるだけだ」 「助かるといいな」 「そうだな」 顔や手をタオルで拭くヤスさん。 「この姿を見たら心配してくれると思いますか?」 「抱き締めてくれるんじゃないか?」 「じゃあ、このままいようかな」 「止してくれ。一太たちに心配を掛けさせるな。仕事とはいえ暑いのに大変だな」 男性たちが暴れてなかなか出発することが出来ない救急車。そうこうしているうちにバイクに乗ったお巡りさんたちが駆け付けてくれた。 「恐らく、ひかりのみこの信者たちだ。早く病院に連れていかないと手遅れになる。応援を呼んだほうが早いんじゃないか」 「わかった、そうする」 お巡りさんが無線でK警察署に連絡を入れた。 「子どもを刺したのが誰か分かるのか?」 「神政会の構成員で名前は秦誉だ」 鞠家さんが淡々と言葉を継いだ。 「卯月はなんでもお見通しだな。まさしく千里眼だ。鳥肌が立った」 森崎さんがぶるぶると身震いをした。 「佐治のヤツ、渋川を尻に敷いて手の上でうまく転がしているみたいだな」 「とうの本人たちは気付いてはいないが似た者同士、お似合いのカップルだ」 鞠家さんがくすりと笑った。 「マーには内密にしてくれ」 「分かっている」 短く答え頷く森崎さん。

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