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番外編恋の吊り橋作戦

「行ってくる。留守番を頼むな」 「もし覃が悪さをしたら遠慮することない。ビシバシ怒っていいぞ。俺が許す」 「二人とも行ってらっしゃい。覃さん大丈夫だよ。お利口さんに出来るから」 うん、うん、そうだ、そうだ、大きく頷く覃さん。 「嫌な予感しかしないのは気のせいか?」 地竜さんが不安を漏らした。 彼と地竜さんが出掛けてすぐに、 「弓削さん」 血相を変えて若い衆が弓削さんを呼びに来た。 「騒々しいヤツだな、静かにしろ」 「とにかく来てください」 腕を掴もうとすると、 「俺が行く。弓削は病み上がりなんだ、もうちょい大事にしてやれ。ミツオ付き合え」 覃さんが若い衆の手を掴みそのまま引っ張っていった。またですか?なんで俺なんですか。と口では迷惑そうに言いながらもミツオさんは嬉しそうに覃さんのあとを追い掛けていった。 「たいしたことじゃない。心配しなくてもいい」 「でも……」 「暑いんで家の中に入って下さい」 弓削さんに背中をそっと押された。 「状況を説明すると、誉が逃走した時、たまたま偶然玲士と宋を送ってきた壱東が駐車場にいたんだよ。誉は血まみれのハサミを壱東の首に突き付けてインターの料金所まで連れて行くように要求をした。二人には面識はないが、壱東はオヤジから要注意人物だとして誉の顔写真を見せられていたから抵抗せずに素直に要求に従い車を発車させようとしたが、宋が俺たちが代わりに人質になるからじいちゃんを離せって言い出したらしく、それで二人仲良く人質になっている。誉は二人と会うのは初めてだ。正体を知ったらどんな反応をするのか」 蜂谷さんが分かりやすように説明をしてくれた。

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