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番外編恋の吊り橋作戦

「宋も人が悪い。のちのち面倒なことになるんだ。何も玲士を巻き込まなくてもいいのにな」 青空さんがやれやれとため息をついた。 「誉さんのことだから騙したなって逆上してハサミを振り回します」 「宋にとっては赤子の手をひねるようなものだ。玲士にとっていい勉強になる」 二人はとても落ち着いていた。弓削さんも生半可な気持ちでは婿はつとまらないと静観することにしたみたいだった。 「ロンさんとカドタさんに宋さんの正体がバレたりしませんか?」 「バレないように上手く立ち回れる男。変幻自在に誰にでもなれる男。それが宋だ。カポ、つまり幹部でもあるヤツを守るために手下であるソルジャーが暗躍している。闇夜に紛れて行動をしているからいまだに誰も顔を見たことはないがな」 「宋さんってやっぱりすごい人なんですね」 「覃のことも褒めてやらないと臍を曲げられるぞ」 蜂谷さんに言われて何気に振り返ると後ろに覃さんが立っていたから心臓が止まるんじゃないかそのくらいびっくりした。 「覃さんもすごいです。宋さんと一緒に地竜さんを支えて、死神《スーシェン》のためにそれこそ身を粉にして尽くしているから。僕なんか何も出来ないから尊敬します」 「照れるようなことを言われると嬉しいが恥ずかしいな」 覃さんが頭をくしゃくしゃと掻いた。 「あんまり宋を刺激して欲しくないんだ。本当にアイツはやべぇぞ。サイコだからな。能ある鷹はなんとかって言うだろ?まさにあれだ。俺はまだピヨピヨで可愛いほうだぞ。まだマシだ」 「どの口で言ってんだか」 「なにがピヨピヨだ」 蜂谷さんと青空さんが返答に困っていた。僕らにしたらいつもの光景だけど弓削さんにとっては新鮮に映ったみたいで、ちゃんとコミュニケーションがとれいる。良かったと胸を撫で下ろしていた。

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