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番外編恋の吊り橋作戦
「アイツ、あの二人を拘束して、無理矢理掘る気満々じゃねぇか。可哀想に。弓削さんも手塚に会うのは初めてですよね?」
蜂谷さんが聞くと、
「いや、何度も会っている。事務方の仕事をしていて滅多に表には出てこないが、色恋沙汰で毎度のように騒ぎを起こしていたから夜の街界隈ではかなり有名だったぞ。それにしても手塚の好みがいまださっぱり分からん。面食いで年下好きなのは確かだ。ヤツの歴代彼氏は、中性的な顔立ちの可愛い男だったり、なよなよした草食系男だったり、厳つい男だったり、いろんな男と付き合ってきたからな。今回はどうなることやら」
弓削さんが心配そうに眉をひそめた。
「教祖さまの言ってることしか信じねぇ―連中だ。手塚はそういう連中の扱いに慣れているから心配はいらねぇ―。未知、なんでそっちに行くんだよ。地竜、お前は一人で寝れんのか?」
「お前にだけは言われたくない。その台詞そっくりそのまま返す。未知はお前だけの未知じゃない。みんなの未知だ。あおお兄ちゃんに卯月が未知を独り占めする。貸してくれないって言いつけてやるぞ」
「なんで蒼生の名前が出てくんだ?てか、未知は……」
「なんも聞こえな―い。寝る。疲れた」
僕の腰にぎゅっとしがみつく地竜さん。彼に腕枕をしてもらい、もう片方の腕で抱き寄せられると広い胸元にすっぽりと収まった。
「心臓の音、すごく速いな。ドキドキしてる?」
「そりゃあそうだろう。サンドイッチの具にされていつ食われるか分からないんだし」
「なんだ、まだ起きていたのか?」
「うるさい」
地竜さんがぶっきらぼうに短く答えた。
「暑苦しいよな?汗がすごい」
彼が額の汗を手で拭ってくれた。
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