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番外編恋の吊り橋作戦

「素直でいい子ですね、一太くんって。お兄ちゃんというよりは小さなパパみたいですね。卯月さんとは血の繋がりがないって聞いたときには耳を疑いました。どこからどう見ても仲のいい父親と息子にしか見えなかったから。本当に驚きました」 「橘っていう縁結びの神様が未知と一太を俺に引き合わせてくれたんです。おかげで今も頭が上がりません」 「あら、そうなの?縁結びの神様は卯月さん、あなたもでしょう?」 額田さんがホホホと口に手をあてて上品に笑った。 「きっと橘さんのお眼鏡にかなったね」 「兄妹揃っての千里眼ですからね。橘には見えていたんじゃないですか?未知と一太がいれば、俺がずっと憧れていたあたたかい家庭ってものを築けるって。実は未知に出会ったとき俺には妻がいたんですよ」 「秘書に調べさせて未知さんの年齢と未婚の母っていう事実にまず驚いて、卯月さんに奥さんがいたって知って二度驚いて、未知さんは初婚だけど卯月さんは授かり再婚だったって聞いて三度驚いたわよ。卯月さんもなかなかやるじゃないの。良かったわね、夢が叶って」 額田さんが彼の背中をポンと軽く叩いた。 「縁結びの神様にこれを渡して欲しいの。延命祈願のお守りよ。結局、青空さんのお母様とは会うことは叶わなかったけど、もっと長く生きてほしいって、そう伝えて欲しいの」 「分かりました。青空のヤツ、照れくさいとかで見送りに来なくてすいません」 「気にしてないわ。青空には私より大切な人たちが大勢いるのが分かっているから。卯月さん、青空に情けをかけてくれてありがとう。罪を償うチャンスと生き直すチャンスを青空に与えてくれたから私たちは姉弟として再会することが出来たの。感謝してもしきれないわ」

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