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番外編恋の吊り橋作戦

「ねぇ遥琉さん。渋川さんにナナシさんがもし逃げてきたら匿ってほしいって電話で頼んでもいい?余計なお世話なのは百も承知。いらぬ心配なのも分かってる。でもね、すごく嫌な予感がするの」 「未知の嫌な予感は怖いくらいよく当たるからな。念のため鷲崎にも頼んでおいた方がいいぞ。俺より未知から頼んでもらった方が俄然やる気になるから」 「うん、分かった」 電話を掛けようとしたら太惺と心望が泣きながら起きてきた。あとにしよう、携帯電話を尻ポケットに入れようとしたら、 「あとにしてもいいが忙しくて忘れるだろ?今、電話を掛けろ。太惺と心望は一太に任せておけば大丈夫だ」 彼に言われてはじめて一太がいることに気付いた。 「みんなお兄ちゃんっ子なんだから。お兄ちゃんがいなくてもねんねしないと大きくなれないよ。二人ともおいで。お兄ちゃんと遊ぼ。パパとママは大事なお話しをしているから、じゃましちゃダメだよ。もう泣かなくていいよ」 一太が二人の手を繋ぐと居間へと連れていった。 「どこかで聞いたことがある台詞だな」 彼がププッと笑い出した。 「それってもしかして俺のこと?」 ぬっと信孝さんが姿を現した。 「信孝のことじゃねぇよ。ずいぶんと早いな」 「晴におばちゃんにちゃんとバイバイしないと駄目でしょうって起こされたんだよ」 「そうか、それは大変だったな」 「でもみずほさんに会えて良かった」 信孝さんが晴れ晴れとした笑顔を見せてくれた。

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