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番外編恋の吊り橋作戦
「未知さんさっきから電話が鳴ってませんか?私のことは気にせず出てください」
橘さんに言われて初めて携帯が鳴っていることに気付いた。緊張しながら電話に出た。
「あの鷲崎さん、ひとつお願いがあって電話をしたんです。手塚さんがお世話していたナナシさんという男性がいるんですが、親御さんが迎えにきたんですが、すごく嫌な予感がして。もし逃げてきたら追い返さないでほんの少しの間だけ匿ってほしいんです」
ー手塚がそっちにいると聞いて、未知の貞操の危機とか七海が騒いでいたな。森崎がいるんだ、しっかり見張っているとは言ったんだが。ナナシの件は了解した。森崎はどうだ?迷惑を掛けてないか?ー
「迷惑だなんて。すっかり溶け込でいます。鞠家さんたちとも喧嘩せず仲良くしています」
ー弓削とはどうだ?ー
「悪くはありませんよ。ただ森崎さんの方がガチガチに緊張してロボットみたくなりますがね」
ーその声は橘か。久し振りだな。声を聞いたら会いたくなったなー
「人妻を口説かないで頂けますか?七海さんに焼きもちを妬かれますよ」
ー七海は不思議と橘と未知には焼きもちを妬かないー
「新幹線が止まっているみたいですけど、何か情報があれば教えてほしいんです」
ー偶然、若いのが一人乗っている。宮城の実家に帰省して乗り合わせたみたいだ。メールをしてみるー
「お願いしますね」
あぁ、分かった。また連絡する。そう言うと電話が切れた。
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