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番外編恋の吊り橋作戦

「なにしてんのよ!さっさと帰るわよ!」 男の子の母親のイライラした声が飛んできた。 ちょうどその時宋さんと同じ格好をした男性がハンカチで額の汗を拭きながら入ってきた。携帯を見るのに夢中でろくすっぽ前を見ていなかった父親とあやうくぶつかりそうになった。 「おぃ、オッサン。人の足を踏みやがって。謝りもしねぇのかよ。どこを見て歩いてんだよ!」 「あ、あの、足は踏んでませんが……」 ビクビクしながら言葉を返す男性。 「あ?聞こえねぇな」 「ですから」 「部長、遅いですよ。愛人と別れを惜しんできたんですか?たった三日会えないだけなのに」 宋さんが二人の間に割って入った。 「藤田大きな声で言うな。な、なんでそのことを知っているんだ?」 顔を真っ赤にして慌てる男性。 「顔より中身。俺はそう思います。可愛い子には刺がありますよ」 「とにかく席に行こう」 宋さんの腕を掴み引っ張っていく男性。 「部長、そっちじゃないですよ。こっちですよ」 宋さんがチラッと父親の顔を見るとニヤリと笑った。 「アイツ何者なんだ」 ゾクゾクと鳥肌が立った。 「おぃ、オッサン。まだ話しは終わってねぇぞ」 思いどおりにならなくて。イライラした父親が近くにあった丸い椅子を蹴飛ばした。 母親がドアを開けようとしたら勝手にドアが空いて。お巡りさんが二人入ってきた。 「営業妨害で通報を受けたんだろう。やっとこれで静かに飯が食えるな」 彼が一太の頭を撫でた。

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