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番外編恋の吊り橋作戦
子どもたちがお昼寝をしていたときに額田さん本人から電話が掛かってきた。
―可愛がってくれた母方の祖父母に三途の川を渡るのはまだ早いって怒られたの。だから戻ってこれたの。だからそんなに大袈裟にしなくてもいいのに。でも驚いたわ。目が覚めたら鷲崎さんと七海さんがいるんだもの。未知さんが頼んでくれたんでしょう?ありがとうー
「僕は何も……」
慌てて首を横に振った。
ー卯月さんいらっしゃる?お礼が言いたいのー
「一太と出掛けています」
ーあら、いいわね。私もね本当は青空とデートがしたかったのよ。恥ずかしいって断られたけどねー
あれほど怖い思いをしたのにも関わらず額田さんはあっけらかんとしていた。
「強い人なんだか弱い人なんだかよくわからん」
青空さんがボソリと呟いた。そのとき、
「未知さん」
困惑した表情を浮かべて橘さんが部屋に入ってきた。
「どうしたんですか?」
「その電話、額田さんからで間違いないんですよね?」
「はい。代わりますか?あれ?」
いつの間にか電話が切れていた。
「どうした橘?そんなに慌てて。いつも冷静なのに珍しいな」
「額田さんから電話が来るはずがないんですよ」
「どういうことですか?」
「つまりだ意識不明の重体ということだ。鷲崎と七海が病院に駆け付けたとしてもおそらく面会謝絶か手術中だ。会えるはずがないんだ」
「嘘……そんな……」
愕然とし目の前が真っ暗になった。
「親を恨むなら親だけにしろ。子は子だ。関係ない」
青空さんが悔しさを滲ませた。
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