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番外編恋の吊り橋作戦
「何かあったの?」
「一人で騒いで、店内を走る回るやたらと元気な子どもがいてな。親は注意もせず放置だ。その子を見ていたら海翔のことを思い出したんだ。どこかで生きてくれていればいい。海翔の帰りを首を長くして待っているんだ。奏音と鉄将に会わせてやりたい、そう思ったんだ」
「僕も遥琉さんと同じ気持ちだよ」
「ありがとうな未知。その子どもがな、とあに見れば見るほど似てるんだよ。その家族連れは新幹線が止まってしまい暇潰しをしていたらしいがな」
「じゃあ、もしかしてその人たちひかりのみこの信者?」
「神政会の幹部だと名乗ってはいたがな。どうも胡散臭い男でな、また宋に助けられた。仕事中だった」
「え?宋さん?」
思わず驚いたような声を出してしまった。
「相変わらず神出鬼没な男だ。演技もそうだが、懐に入るのもうまい。フレンドリーかつ社交的だから上司にも気に入られているみたいだ。宋は相手の仕草から心を読む力に長けている。気を許したら最後。ヤツの術中にはまる」
とある薬物の件でとある物流会社に派遣社員として潜入することになったと話していたことをふと思い出した。
「宋さん大丈夫だよね。もし正体がバレたらもう日本にはいれなくなるでしょう」
「ほとぼりが覚めるまでは身を隠すしかないだろうな。ヤツが愛してやまない若林にも危険が及ぶことになる。でもそれはヤツが望んでいないことだ。自分のせいで愛する人たちが不幸になるのだけはプライドが許さないんだと」
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