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番外編恋の吊り橋作戦

「来年は千里と子どもたちを連れてうねめ祭りのときに帰って来る」 「はい。遥琉さんと子供たちと楽しみにして待ってますね。お兄ちゃんも元気で」 「兄貴のいないこの隙に未知を拐っていこうかな。冗談だよ。弓削に半殺しにされるから止めておく」 お兄ちゃんが笑いながら頭をぽんぽんと撫でてくれた。 朝の通勤ラッシュを過ぎているせいか新幹線のプラットフォームは人がまばらでしーんとしていた。 小学生組以外の子どもたちは橘さんがみててくれているから心配ない。 「まだ悩んでいるのか優輝は」 自動販売機の前でじっとして動かない優輝くんを見てお兄ちゃんが笑った。めぐみちゃんに早くしてってせっつかれていた。 「蒼生さんどうぞ」一太がカフェオレのペットボトルを差し出した。 「一太、自分のは?」 「あとで買うからいい。蒼生さんに一番最初にあげたかったんだ」 「そうか、ありがとう」 嬉しそうに微笑みながらペットボトルを受け取るお兄ちゃん。玲士さんとミツオさんがぴたりと一太に張り付いていた。蜂谷さんと青空さんが優輝くんたちと一緒にいるから心配ない。 「蒼生、ねえさんにべたべたし過ぎだ」 僕の隣にいる弓削さんがお兄ちゃんをきっと睨み付けた。 「そう睨むなって。妹を頼んだ」 「この命に代えても守る為に帰ってきたんだ。任せろ」 力強い言葉を口にすると握りこぶしを胸にあてた。

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