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番外編恋の吊り橋作戦

「弓削、嬉しい報告を待ってるぞ」 ニヤリと笑いながら弓削さんの肩をぽんぽんと軽く叩くお兄ちゃん。 「嬉しい報告?なんのことだ?」 不思議そうに首を傾げる弓削さん。 「あぁ~そうか。久弥のことか」 「そうじゃねぇ、お前のことだよ」 「俺?」 「天然なのか、わざとなのか……これじゃあ先が思いやられるな。兄貴の気持ちが痛いくらい分かる」 「一体なんのことだ?」 「なんでもねぇよ。独り言だ」 お兄ちゃんがふと何かに気付き、エスカレーターのほうに視線を向けた。 「噂をすればなんとやらだな。やっぱり兄貴はオーラが違う。風を切って颯爽と歩く姿は絵になる。惚れ惚れするくらいカッコいい」 「自慢の兄貴だもんな」 「いいだろう、羨ましいか?」 「信孝がいなくてよかった。つくづくそう思うよ」 「俺と信孝は水と油だ。でもまぁ、お互い年を取って丸くなったら手と手を取り合う仲になるかもな」 「その前にパパ友にならないと」 「そうだな」 お兄ちゃんの表情が和らいだ。 額田さんに面会してすぐにとんぼ返りした彼。警察に事情を聞かれていて長引いているから間に合わないかもと連絡があったから、良かった間に合って。 「悪いな兄貴」 「いいんだ。気にすんな」 爽やかな笑顔で答える彼。

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