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番外編恋の吊り橋作戦
「額田さんは命を狙われていることを知った上で帰国した。死ぬのは自分だけでいい、子供たちを巻き込まないために支援者に子供たちを託してきた。福光の娘じゃなく、ただ一人の女性として静かに死にたいと話していた。結婚も父親が決めた顔も知らない相手と。結婚前から夫には愛人がいて、世間体が悪いと離婚も出来ない、愛すらない冷たい結婚生活だった。父親が不祥事を起こすたびに尻拭いをさせられ、疲れたんだと。最後に青空と甥っ子たちと会えて嬉しかった、そう話していた。これを千里に渡してくれ」
彼が白い封筒を差し出した。
「確かに受け取った」
まもなく東京行きの新幹線が十三番線ホームに到着します。危ないですので黄色い線の内側にお下がりください。とアナウンスが流れた。
「蒼生さんが行っちゃう」
めぐみちゃんが慌てて駆け出した。
「めぐみ待ってよ。置いていかないで」
ちょうどボタンを押すところだった優輝くん。焦ってしまい飲めないトマトジュースのボタンを間違って押してしまった。
「ちょうど飲みたかったんだ。失敗は成功のもとだ。気にするな」
「そうだ優輝。バイバイしてからまたチャレンジしたらいい」
今にも泣き出しそうな優輝くんに優しく声を掛ける青空さんと蜂谷さん。
「ありがとう」涙を手の甲でごしごし拭うと、めぐみちゃんのあとを追いかけた。
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