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番外編恋の吊り橋作戦

「オヤジは何一つ変わっていませんね。安心しました」 「そうか?これがいつもの俺だ」 弓削さんにニカッと笑う彼。 「そういえば未知にも手紙を預かってきたんだ」 「オナさんじゃなくて?」 「ナオ宛ての手紙は信孝が預かっている。帰ろうか」 彼が然り気無く手を握ってくれた。 「優輝くん泣き止んだよ」 一太が駆け寄ってきた。 「そうか、良かったな」 「冷たいものが食べたいって」 「店に寄っていくか?」 「前に行ったところ、ママも連れていってあげたい。どうしたのパパ?」 顔付きが変わった彼に不思議そうに首を傾げる一太。 「みな、若くてイケメンでしたからね、店員が」 ボソリと呟くミツオさん。 「可愛いカミさん、誰にも見せなくないですね。ましてや紹介したくもない」 「分かっているじゃねぇかミツオ」 「まぁ、そう言うことです。坊っちゃん違う店にしましょう。青空さんに聞きましょう。きっと詳しいですよ」 ミツオさんが一太を連れていってくれた。 「一太のほうが誰かさんと違い大人ですね」 弓削さんがくくっと笑った。 「どうせ俺はガキだよ。それはそうと弓削、久弥と森崎のことで話しがある。あとで時間を作ってくれないか?」 「分かりました」 「そんな神妙な顔をするな。たいした話しじゃない」 彼がフフッとかすかに笑った。

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