3863 / 4006
番外編恋の吊り橋作戦
「オヤジは何一つ変わっていませんね。安心しました」
「そうか?これがいつもの俺だ」
弓削さんにニカッと笑う彼。
「そういえば未知にも手紙を預かってきたんだ」
「オナさんじゃなくて?」
「ナオ宛ての手紙は信孝が預かっている。帰ろうか」
彼が然り気無く手を握ってくれた。
「優輝くん泣き止んだよ」
一太が駆け寄ってきた。
「そうか、良かったな」
「冷たいものが食べたいって」
「店に寄っていくか?」
「前に行ったところ、ママも連れていってあげたい。どうしたのパパ?」
顔付きが変わった彼に不思議そうに首を傾げる一太。
「みな、若くてイケメンでしたからね、店員が」
ボソリと呟くミツオさん。
「可愛いカミさん、誰にも見せなくないですね。ましてや紹介したくもない」
「分かっているじゃねぇかミツオ」
「まぁ、そう言うことです。坊っちゃん違う店にしましょう。青空さんに聞きましょう。きっと詳しいですよ」
ミツオさんが一太を連れていってくれた。
「一太のほうが誰かさんと違い大人ですね」
弓削さんがくくっと笑った。
「どうせ俺はガキだよ。それはそうと弓削、久弥と森崎のことで話しがある。あとで時間を作ってくれないか?」
「分かりました」
「そんな神妙な顔をするな。たいした話しじゃない」
彼がフフッとかすかに笑った。
ともだちにシェアしよう!

