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番外編恋の吊り橋作戦
「パパ、ママ、なんでなむなむしてるの?」
「大切な家族が事故に遭って亡くなったのかも知れない。花も供えられているし」
「あの、はる先生」
めぐみちゃんがツンツンと彼の服を引っ張った。
「あの子、優輝と同じクラスの子に似てるの。優輝、ちずちゃんに似てない?」
「僕、女の子に興味ないから知らない」
「あのね優輝……」
はぁ~っと大きなため息をつくめぐみちゃん。
「ままたんが大好きなんだよな優輝は」
「え?そうなの?」
「はる先生、しー」
優輝くんが耳まで真っ赤にした。
「人を好きになることは素晴らしいことだ。恥ずかしがることはない。ままたんは相変わらずモテモテだな。今ごろくしゃみをしているかもな」
彼が愉しそうに笑うと、
「ままたん優しいから好き。可愛いし」
「可愛い?」
彼の声が裏返った。
「オヤジ、子どもの夢を壊してはいけませんよ」
弓削さんがボソリと呟いた。
「優輝は見る目があるな。さすがは遼と龍の甥っ子だ。ままたんは人気があるからな。遥香と幸たちと喧嘩だけはするなよ。譲合いの心を忘れるなよ」
「うん、分かった」
目をキラキラと輝かせて自信満々に答える優輝くん。
「オヤジが言ってもあまり効果がないような……」
「それを言うな」
罰が悪いのか苦笑いを浮かべる彼。
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