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番外編恋の吊り橋作戦
「心配するな。鞠家を呼んだから」
にこりと微笑み掛けると、
「高松さん悪いが子どもたちとの先約があって、代わりに俺の倅たちが話しを聞くから先にタカマツに戻っていてくれないか?」
「倅?大きな息子さんがいるんですね。年がずいぶんと離れているんですね」
「それに関してはあとで説明します。さらにややこしくなり頭がこんがらがるので」
「そうですか、分かりました。ではお待ちしています」
軽く頭を下げるとそそくさと歩いていった。
「玲士そういう訳だ。悪いが鞠家と一緒に行ってくれ。お前が頼りだ。頼むな」
「はい」背筋をぴんと伸ばし直立不動になる玲士さん。目がキラキラと輝いていた。
「玲士、良かったな」
「俺、死ぬ気で頑張ります」
「あんまり気負い過ぎるなよ。何事もほどほどにな」
弓削さんが玲士さんの肩に軽く手を置いた。
デパートの近くで優輝くんをおろす彼。
「暑いのにごめんなさい。重かったでしょ?腕、プルプルしてない?」
「柔じゃねぇよ。心配してくれてありがとうな」
彼がやさしく頭を撫でると優輝くんがにっこりと微笑んだ。ちっとでも痛みを忘れてくれればそれでいい。子どもたちにはいつまでも笑っていてほしい。そんな彼の思いが痛いくらいに伝わってきた。
「はるせんせー、なんかやってるよ」
「カレーの匂いがするよ」
デパートの出入口にテントが張られ、ちょうどお昼時ということもあって多くのお客さんで賑わっていた。
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