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番外編恋の吊り橋作戦

「親子かな?」 「きっとそうだよ」 「ちょい悪オヤジみたいでカッコいいよね」 「もろタイプかも」 ヒソヒソ話しが聞こえてきた。弓削さんがチラッと見ると、慌てて顔をそらす二人連れの女性客。 「すっかりねえさんの父親だと思われているみたいですね」 「そうですね」 独身なのにこんな大きな息子がいたら迷惑かと思ったけど、弓削さんは嬉しそうだった。 「彼氏とか言われたらオヤジに半殺しにされるので良かった。命拾いをした」 「そんな大袈裟な」 「ねえさんは知らないかも知れませんが、オヤジと橘と柚原。この三人を敵に回したら一貫の終わりです。ねえさんのことになると三人して人が変わります。おっかねぇ」 弓削さんとそんな会話をしていたら、迷子のお知らせの館内放送が流れた。 「ゆうきくんって同じ名前の子どもがいるんですね」 「オヤジとしっかり者の一太とめぐみがいるんだ。迷子にならないと思うが。念のためオヤジに連絡をしてみたらどうですか?」 「そうします」 彼にメールをするとすぐに返信が返ってきた。内容を見るなり言葉を失った。 「どうしました?」 「優輝くん本当に迷子になったのかも知れません。詳しいことは分かりませんが目を離したほんの一瞬の隙にいなくなったみたいです。ミツオさんたちが手分けして探しているみたいです」 携帯の画面を弓削さんに見せた。

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