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番外編彼のもう一つの素顔

「国井さんまでまさかストップショーをはじめるとは思いませんでしたよ」 橘さんがやれやれとため息をついた。 「俺が本物か確かめたいって未知さんが言うから。脱げば分かるだろ」 「あ、あの国井さん……」 あわてて両手で顔を覆った。 「俺になりかわれるヤツといったら宋かフーかウーだろう。未知さんなら三人の裸を見慣れているだろ?」 「見慣れているというか皆さんお風呂上がりに裸で子どもたちとおいかけっこをしているので。見ちゃだめ。見ないようにしないと、頭では分かるんですけどそれがかなり難しくて」 「なるほど」 クククと笑う国井さん。 「別に減るものでもないし触ってもいいぞ」 「チカちゃんに会わせる顔がなくなるので触りません」 「そう固いことを言うな。遠慮しなくてもいいんだぞ」 「遠慮させていただきます」 「そうか、それは残念だな」 「噂には聞いていましたが見事な腹筋の割れですね」 「チカを守れないようなら男が廃るだろ。空いた時間でストレッチやランニングをして体を絞ったんだ」 「硬いですね。ハルちゃんもツンツンしてみます?」 「うん、する」 待ちきれなくて目を開けた遥香。興味津々に脇腹をツンツンすると、そこはくすぐったいんだと体を捩る国井さんと目があってしまった。 「あっ……」 なんともいえない気まずい空気が流れていった。 「なんだ挨拶代わりに脱ぐのが流行りなのか?」 笑いながら鞠家さんが姿を現した。 「じゃあ、俺も脱ごうかな」 冗談なのか本気なのか。それともからかっているだけなのか。鞠家さんの意図がいまいちよく分からない。

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