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番外編彼のもう一つの素顔

「遥琉さんなんで脱いでるの」 「何事も本気でやらねぇーと気が済まないタチでな。脱いだ服はちゃんと洗濯機に入れておくから安心しろ」 ニカッと笑う彼。僕に背を向けてぽんぽんと服を素早く脱いで裸になると海水パンツを穿いた。 「可愛い息子たちがプレゼントしてくれたんだ。俺には派手すぎるからしまっておいたんだが、一太に見たいって騒がれてな。参った。あんま見んなよ、似合わないから」 「そんなことないよ。似合ってるよ」 海水パンツには前も後ろもしろくまさんのイラストがたくさんプリントされてあった。 「まずは国井に挨拶だな。陽葵、パパ行ってくるからママを頼むな」 「え?陽葵?」 布団を見ると陽葵と目があった。にこっと笑う顔はまさに天使だ。 「もう遥琉さんったら。反則だから。僕の心臓が持たないじゃない」 彼が行ったあと陽葵をそっと抱き上げてはぁ~とひとつため息をついた。チラッと真っ正面から見えた上半身は日に焼けて、気のせいかも知れないけど前に見たときよりも二の腕や脇腹がさらにムキムキになっていてドキドキが止まらなくなってしまった。顔が真っ赤なのは暑さのせいだからね。 「何をぶつぶつ言ってるんだ」 彼が戻ってきたから驚いた。 「裸で家のなかをうろうろしたら未知が恥ずかしくてぶっ倒れるだろ?だから着替えを持っていこうと思ってな」 「そ、そうなんだ」 バレていないみたいでよかった。ほっとして胸を撫で下ろした。

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