3894 / 4006

番外編彼のもう一つの素顔

「卯月、こら!」 「挨拶しないお前が悪い」 「だからといって海水パンツを穿いていない俺に水をかけるか?」 「着替えはある」 「そういう問題じゃないだろ?」 「じゃあ聞くがなんで俺の妻の前で脱いだ?」 「それは本物か偽物かを確認したいって未知に言われたからだろ?」 遥香とシャボン玉を作り太惺と心望と遊んでいた国井さん。たまたま近くを通りかかったとき、おぃ、国井。と彼に呼び止められて振り返った瞬間、バケツの水を頭から掛けられた。白いワイシャツとズボンがびしょびしょだ。 「脱がせてやる。お前も一緒に遊ぶぞ」 手を伸ばしワイシャツのボタンを外しはじめる彼。 「卯月、手付きがなんかいやらしい」 「どこがいやらしいんだ?変態扱いをするな。宋たちとは違う」 「いや、そうじゃなくて。わ、わ、わ、自分で出来るから」 国井さんが真っ赤になって彼の手を下に下ろした。 「なんか前よりもさらにムキムキになってないか?俺のことを普通に抱き上げられるだろ?」 「さすがにそれは無理だろう」 と言いながらも物は試しと国井さんの腰に腕を回して抱き上げる彼。ふわりと身体が宙に浮いた。 「やっぱり卯月はすげえな。頼むから落とすなよ」 彼の肩に慌ててしがみつく国井さん。 「信孝さんがいなくてほんとうに良かったですね」 橘さんに言われ、 「そうですね」 まわりをキョロキョロ見ながら答えた。

ともだちにシェアしよう!