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番外編宋さんのお友だち

「助かったよ。それはあとでいいだろう」 短くそう答えると電話が切れた。 「オヤジ、国井は?」 「怪我はしているが命には別状はないらしい。宋のお友だちと一緒だから心配ないと」 「あとでいいだろうというのは?」 「未知と穣治に会わせろと」 「やっぱりそっちですか」 「あぁ。一目でいいからボスが愛してやまない未知と、アンダ―ボスの彼氏を見たいんだと。俺じゃなくてな」 「国井、襲われたりしませんか?」 「さぁ~~な、どうだろうな。年が離れていても強い男が好きな男も実際いるからな。そればかりは分からない。無事であることを祈るしかない」 「そうですね」 彼と柚原さんがそんな会話を交わしていたら、 「いちにいにとはるねえねいますか?めぐちゃんとゆうくんいますか?」 奈椰ちゃんの元気な声が聞こえてきた。 「噂をすれば影だな」 「そうですね」 くすりと笑う二人。 「すみません。それどころではないのに」 鳥飼さんとフ―さんが連れだって姿を見せた。 「いいんだ。奈椰を連れてこいと言ったのは俺だし。鳥飼、使って悪いが、ドライブがてら国井を迎えに行ってほしいんだ。奈椰のことは心配するな。フ―も積もる話しがあると思うんだ。通訳も必要だろう」 「分かりました」 鳥飼さんに何?と聞くフ―さん。 「フ―の昔の仲間が国井を助けてくれた」 柚原さんが通訳して伝えると、首をかしげたあと、もしかしてアイツか。アイツはな……とため息混じりにそう言うと額に手を置いた。

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