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番外編宋さんのお友だち

「みゆちゃんお帰り。なんで?」 めぐみちゃんが呆気にとられていた。 「家が恋しくなったんだと」 大きなス―ツケ―スをコロコロと転がしながら姿を見せたのは伊澤さんだった。 「あれ根岸さんは?一緒ではないんですか?」 「根岸まで帰ったら奏音が寂しがる。喧嘩はしていない」 「だってねぎさんとラブラブだもんね」 「そうだな」 伊澤さんが笑いながら幸ちゃんの頭を撫でた。 「額田さんの荷物を送ろうとしたんだが、現金書留だ、貨物扱いだとか言われてな、だったら帰ったほうが手っ取り早いんじゃないかと思って。幸も帰りたいと昨日から泣いていたから連れてきた」 「伊澤さん、ありがとう」 めぐみちゃんがぺこりと頭を下げた。 「みゆちゃん、なやちゃんが遊びに来てるよ」 「ほんと?」 「うん。はれくんたちもさっき来たんだよ」 めぐみちゃんが幸ちゃんの手を繋いで連れていった。 「国井が乗った車が襲われたと聞いた。国井は?」 「鳥飼さんとフ―さんが迎えに行ってます」 「そうか、それなら良かった。第一報を聞いたときは生きた心地がしなかった」 胸に手を当てて撫で下ろした。 「伊澤さんが一人だなんて珍しい。一緒じゃないんですね。根岸さんと喧嘩でもしましたか?」 みんなに同じことを聞かれ、 「気にかけてくれるのは嬉しいんだが……あやまったな」 苦笑いを浮かべ頭を掻いていた。

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