3917 / 4006
番外編宋さんのお友だち
「みゆちゃんお帰り。なんで?」
めぐみちゃんが呆気にとられていた。
「家が恋しくなったんだと」
大きなス―ツケ―スをコロコロと転がしながら姿を見せたのは伊澤さんだった。
「あれ根岸さんは?一緒ではないんですか?」
「根岸まで帰ったら奏音が寂しがる。喧嘩はしていない」
「だってねぎさんとラブラブだもんね」
「そうだな」
伊澤さんが笑いながら幸ちゃんの頭を撫でた。
「額田さんの荷物を送ろうとしたんだが、現金書留だ、貨物扱いだとか言われてな、だったら帰ったほうが手っ取り早いんじゃないかと思って。幸も帰りたいと昨日から泣いていたから連れてきた」
「伊澤さん、ありがとう」
めぐみちゃんがぺこりと頭を下げた。
「みゆちゃん、なやちゃんが遊びに来てるよ」
「ほんと?」
「うん。はれくんたちもさっき来たんだよ」
めぐみちゃんが幸ちゃんの手を繋いで連れていった。
「国井が乗った車が襲われたと聞いた。国井は?」
「鳥飼さんとフ―さんが迎えに行ってます」
「そうか、それなら良かった。第一報を聞いたときは生きた心地がしなかった」
胸に手を当てて撫で下ろした。
「伊澤さんが一人だなんて珍しい。一緒じゃないんですね。根岸さんと喧嘩でもしましたか?」
みんなに同じことを聞かれ、
「気にかけてくれるのは嬉しいんだが……あやまったな」
苦笑いを浮かべ頭を掻いていた。
ともだちにシェアしよう!

