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番外編宋さんのお友だち

「貴女には驚かされてばかりいる」 「わざわざ荷物を持ってきてくれてありがとう。こんな格好でごめんなさい」 起き上がろうとした額田さんに、 「起きなくていい。怪我人らしくおとなしく横になっていてくれ」 伊澤さんがそう声を掛けた。 「上澤先生と斉木先生にも同じことを言われたわ」 額田さんに一枚の写真を渡す伊澤さん。 「あら、懐かしい。総選挙のときの写真よね。こんな昔の写真よく見つけたわね。なんだか恥ずかしいわ」 「そんな昔でもあるまい。額田さん、スタッフとして貴女の後ろにいるこの二人の男のことを覚えているか?礼さんの選挙のときも手伝っていたはずだが」 「選挙スタッフに関しては父の後援会や礼の秘書に任せっきりだったから。ごめんなさい何も覚えてないわ。この二人が何かしたのかしら?」 「シェドの教団の信者だ。今は、海堂の側近として日本支部の幹部をしている」 額田さんが信じられないという表情で写真を見つめた。 「若いほうは莫《バク》という名前らしい。表向きは語学留学生になっているが、こいつが今回の事件を起こしたホンボシだ。貴女を襲うように仕向けのもコイツだろう」 「なんで私や国井さんを?」 「邪魔だから、だろな」 「邪魔って、恨みを買うようなことをした覚えはないわ。私が福光の娘だからなの?そんな…」 言葉を失う額田さん。わなわなと震え出した。

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