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番外編宋さんのお友だち
「国井は病院で手当てを受けたあと明日中には帰って来るはずだ。軽傷だから心配するな」
電話でそうチカちゃんに伝える彼。
「職業柄生命の危険が伴う。覚悟はしているとはいえ辛いな。いつも通り、気丈に振舞ってはいたが涙声だった。宋に借りが出来たとも話していた」
「宋さんはやっぱりすごいね」
「地竜が宋は特に多段思考力に優れているから諜報員に向いていると話していた。なるべく若林の近くにいたいから福島をねぐらに諜報活動をしているらしい」
「宋さんのお友だちってどんな人なんだろう」
「気になるのか?俺以外の男が」
「遥琉さん以外の男の人には興味がないよ。分かっているのになんで聞くの?」
「愚問だったな。悪い、つい意地悪がしたくなったんだ。許せ」
くくっと愉しそうに笑う彼。
「部屋住みの若い衆たちが、恐らくまともな人じゃない、ヤバいヤツだ、自分の身は自分で守れ、みたいな話しをしていたからそれでどんな人なんだろうって思ったの」
「なるほどな。胸を隠したら尻を狙われるし、尻を隠したら胸を狙われるし、油断も隙もないからな。宋の友だちのツラを拝みたいのは山々だが、舎弟たちを変態から守るのが俺の役目だからな。参った」
彼が深いため息をついた。
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