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番外編宋さんのお友だち

「そう言うお前もだろ?」 「そうか?普通だと思うぞ」 「いや、いや、普通じゃないから」 柚原さんに言われ不思議そうに首を傾げる宋さん。ちょうどその時、 「ただいま、戻りました」 佐治さんと玲士さんが帰ってきた。 「宋、てめえ―のんびり飯を食ってる場合か」 宋さんの姿を見付けるなり声を荒げる佐治さん。 「腹が減っては戦ができぬだろう。あと、子どもたちが驚くから大きい声を出すな」 「あのな宋」 「あやつの趣味趣向はボスでも手に負えない」 しれっとして答える宋さん。 「挨拶変わりに何かされたか?」 彼が聞くと、 「脚を触られたくらいで、なぁ、玲士」 「あぁ」 「ソイツが自慢げに携帯の写真を見せてくれた。見るとオヤジの写真が百枚近く保存されてあった。宋、てめえ―オヤジを隠し撮りしやがって」 「さぁ、記憶にないな」 悪びれる様子もなくカレーに舌鼓を打つ宋さん。 「ウヅキ、カワイイ。オレ、スキ。にんまり笑いながら片言の日本語で言われたときにはさすがに血の気が引いた」 「卯月の隠れファンが若干名いる、隠さず、俺正直に言ったぞ。偉いだろ」 「は?ぜんぜん偉くない」 佐治さんと玲士さんの声が見事にハモった。 「信孝がまた暴れるぞ」 柚原さんがため息をつきながら額に手を置いた。 「宋、名前は何て言うんだ?」 「今から呼ぶ練習をするのか?好きだな卯月も」 「そういう意味で聞いた訳じゃない」 「飯を食ったらな。教えてやる。まずはおかわりだ」 一太がおかわりの言葉にすぐに反応した。 「宋さん今度はどのくらい食べる?」 「同じくらいで頼む」 「分かった。ままたんがさっきご飯のスイッチを入れてたからご飯が出来てると思うんだ」 「高速で炊けばなすぐに炊き上がるからな」 「待ってて」 一太がまた台所へと向かった。

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