3924 / 4006

番外編宋さんのお友だち

「一太は気配り上手だな。気が利く」 「早く食べて遊んでほしいのが本音だろうが、それが一太のいいところだ」 「柚原、一緒に風呂に入るぞ」 「なんで俺がお前と一緒に風呂に入らないといけないんだ?」 「一太も一緒だからいいだろう。減るものじゃないし」 「分かったよ」 渋々答える柚原さん。 「宋さん、おかわりですよ。ご飯が熱いので気を付けてくださいね」 橘さんがカレーを運んできた。一太はデザートのミルクプリンを二つ手に持って戻ってきた。 「遥琉フェチのとんでもない人はいついらっしゃるんですか?」 「明日か明後日には挨拶に来る。どうした?気になることでもあるのか?」 「えぇ」橘さんが頷いた。 「みんながみんな子どもが好きというわけではないでしょう。中には子どもが苦手、あるいは嫌いな方もいるはずです。芫さんみたく」 「案ずるより産むが易し」 宋さんが即答した。 「国井はしばらく消息不明にしておいたほうがいいぞ。今居場所が莫にバレると銃で蜂の巣にされる。チカを独り身には俺もしたくない」 「病院のほうからサツに情報が漏れるだろう」 「そこは大丈夫だ。手を打ってある。院長と渡会はちょっとした知り合いらしい」 「なるほどな。で、友だちの名前は?」 「仲間うちではルイと呼ばれているが、卯月にはリンリンと呼んで欲しいそうだ」 「鳥飼と同じ呼び名とは……ややこしいな」 「鳥飼はトリでいい。非常に紛らわしい」 「そうだな。呼び方はフーと相談して決める」 「そうしてくれると非常に助かる」 宋さんがタオルを肩に掛けた。 「ひとっ風呂あびてくる。柚原の裸を堪能してくる。久し振りだから心臓がほらドキドキしている」 胸に手をあてる宋さん。

ともだちにシェアしよう!