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番外編宋さんのお友だち
「一太は気配り上手だな。気が利く」
「早く食べて遊んでほしいのが本音だろうが、それが一太のいいところだ」
「柚原、一緒に風呂に入るぞ」
「なんで俺がお前と一緒に風呂に入らないといけないんだ?」
「一太も一緒だからいいだろう。減るものじゃないし」
「分かったよ」
渋々答える柚原さん。
「宋さん、おかわりですよ。ご飯が熱いので気を付けてくださいね」
橘さんがカレーを運んできた。一太はデザートのミルクプリンを二つ手に持って戻ってきた。
「遥琉フェチのとんでもない人はいついらっしゃるんですか?」
「明日か明後日には挨拶に来る。どうした?気になることでもあるのか?」
「えぇ」橘さんが頷いた。
「みんながみんな子どもが好きというわけではないでしょう。中には子どもが苦手、あるいは嫌いな方もいるはずです。芫さんみたく」
「案ずるより産むが易し」
宋さんが即答した。
「国井はしばらく消息不明にしておいたほうがいいぞ。今居場所が莫にバレると銃で蜂の巣にされる。チカを独り身には俺もしたくない」
「病院のほうからサツに情報が漏れるだろう」
「そこは大丈夫だ。手を打ってある。院長と渡会はちょっとした知り合いらしい」
「なるほどな。で、友だちの名前は?」
「仲間うちではルイと呼ばれているが、卯月にはリンリンと呼んで欲しいそうだ」
「鳥飼と同じ呼び名とは……ややこしいな」
「鳥飼はトリでいい。非常に紛らわしい」
「そうだな。呼び方はフーと相談して決める」
「そうしてくれると非常に助かる」
宋さんがタオルを肩に掛けた。
「ひとっ風呂あびてくる。柚原の裸を堪能してくる。久し振りだから心臓がほらドキドキしている」
胸に手をあてる宋さん。
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