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番外編宋さんのお友だち
「何をまた訳の分からないことを言い出すかと思ったら……」
青空さんの声がして。
「尊にも秦さんにもハチに会えなかったかも知れんぞ。オヤジとねえさんに会えなかった。見世物になり笑い者にされるだけだ。あとは世間から忘れ去られ、こんな見てくれだ。どこにいっても白い目で見られる、まともな働き口もなくて、また悪いことをしていた。千夏みたく悲劇のヒロインは俺には似合わない」
ペットボトルのお茶を手に持ち、もう片方の手で濡れた髪をタオルで拭きながら蜂谷さんの隣に腰を下ろした。
「宋に捕まったのか?」
「いや、一太だ。みんなで入ったほうが楽しいからと言われれば断れないだろ?にしてもいい湯だった」
「青空は相変わらずカラスの行水だな」
「ハチとカシラが一緒にいるなんて珍しいな。どんなふきまわしだ?」
「それを言うならどういう風の吹き回しかだ」
蜂谷さんがくすりと笑った。
「尊が側にいなくて寂しいが、ハチが隣にいてくれるからぜんぜん寂しくない。ねえさんも子どもたちも、みんな、みんな、優しいから好きだ。ここが……菱沼組が俺の居場所だ」
青空さんがお茶をゴクゴクと一気に飲み干した。
「青空は宋のりんりんとかいう友だちに会ったことがあるのか?」
「会ったことはないが名前は聞いたことはある。バカ真面目で変態に染まらない。将来有望株だと宋が話していたのに気付けば宋と覃に感化されてすっかり変態になったみたいだがな」
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