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番外編宋さんのお友だち

「オヤジ、見つけました」 玲士さんの声と共にすっと戸が開いて。 「うわぁ――す、すみません。お取り込み中でした」 バタンと戸が閉まった。 「明日でいいって言ったろ?」 「言いました。でもあの宋が、アイツか……と深いため息をつくくらいなのでどんなヤツか気になってしまいまして」 「未知、ごめんな」 彼の手が名残惜しそうに離れていった。 「話しを聞く。入ってこい」 やや間を置いてから再び戸が開いて。 玲士さんが神妙な面持ちで入ってきた。 「邪魔をされるのはいつものことだし、別に怒ってない。取って食ったりはしないからそんなツラをするな」 はいと答えると、玲士さんは写真を差し出した。 そして額田さんの後ろに立つ黒淵眼鏡を掛けた髪がボサボサでマスクを掛けた一人の男を指差した。 「こういうのは詳しくないのでよく分からないのですが、亜優に聞いたら変装とか男装とか女装とか。とにかく色んな顔に加工が出来るアプリがあるらしくて、それを使いもともとはこういう顔だろうと。自分で言うのもなんですが、なかなかのイケメンですよ」 プリントアウトしたものを差し出した。 「なんでまたオヤジが好きなんですかね?パッと見爽やかな好青年で、こんだけイケメンなら男女関係なく引く手あまただろうに」 玲士さんが不思議そうに首をかしげた。 「遥琉さんは義理人情に厚くて、困っている人がいればほっとかないでしょ?それに包容力があるし頼りがいがあるし、分け隔てなく平等に接しているから、兄貴、兄貴とみんなに慕われる。そういうのに憧れたとか?」 「ぶっちゃけこれ以上ライバルを増やさないで欲しいんですけどね」 ぼそっと玲士さんが思わず本音を漏らした。

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