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番外編宋さんのお友だち

「話しは変わるが玲士は莫という男を見たか?」 「迷彩服に目出し帽を被っていたので顔までは。運転手を含め最低でも四人はいました。足を撃たれて動けない警察官に対してニヤニヤ笑いながら発砲を続けていました。同じ人間のやることではないです」 「玲士も佐治も無事で良かった。怖かっただろう?」 「実は佐治兄貴たちの足手まといにならないようにと必死で。どうやって彼らから逃げたかあまりよく覚えていないんです。気付いたら車に乗っていました。兄貴たちがいたので不思議と怖いとは思いませんでした。俺の兄も何度も危険な目に遭っているのに仕事に誇りを持っています。俺も兄みたいにこの仕事に誇りが持てるように、これからもオヤジと兄貴たちについていきます」 「甲崎のヤツ、今頃くしゃみをしているかもな」 彼の表情がすこし和らいだ。 「まだ四時半だぞ。出発は五時半と言ったはずだが」 彼がもぞもぞと動いた。 「未知は寝てていいぞ」 「でも……」 「遅くまで話しに付き合ってくれたんだ。せめて陽葵が起きるまで寝ててくれ。男の約束を果たしてくるから」 「うん、分かった。気を付けてね」 「おぅ、ありがとうな」 素早く着替えを済ませる彼。真くんの同級生がカブトムシを捕まえたと自慢げに話していたみたいで、真くんもカブトムシが欲しくなったみたいだった。でもなかなか翔さんにそのことを言い出すことが出来なかった。

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