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番外編宋さんのお友だち
「ママ、パパのうしろみて」
「ほんとだ。みちさん、みて。はるせんせのうしろにしらないひとがいるよ」
「みちさん、ねぇ、だれ?」
彼から送られてきた写真を代わり番こに見ていた遥香たちが急に騒ぎ出した。
「ちょっと待っててね」
寝起きが悪い陽葵をあやしていたら、
エプロン姿の柚原さんがふらりと現れて。
「ぱぱたんも混ぜて」
「いいよ」
子どもたちの後ろに胡座をかいて座った。
「オヤジの側に知らない人がいるって、そう簡単にはオヤジには近付けないだろう……はぁ?誰だ、コイツ。なんで逆さまに木にぶら下がっているんだ?」
驚いたような声を出した。
「おさるさんみたい」
「あしながいね」
「ぶらぶらして、おもしろいおじちゃんだね」
「おじちゃんでなく、おにいさんだがな」
柚原さんが苦笑いを浮かべながら携帯の写真をじっと見つめた。
―カシラ、一体どうなってる?紫髪の男は誰だ?過足とシオの知り合いか?―
柚原さんが鞠家さんの携帯電話に電話をかけた。
「本当に変態はどこからでも現れるんだな。いや~たまげた。心臓が止まるかと思ったぞ。紫髪の男はりんりんの仲間だ。他に二人もいた。主役はヘリで現れた。小・中学校の統廃合で使われなくなった小学校がすぐ近くにあるんだが、その校庭にヘリが止まっている、不時着したのではと近所の人が110番通報したんだ」
彼や子どもたちにその人は優しく微笑みかけてくれて。ビックリ~ゴメンネ~と片言の日本語で挨拶すると、鞠家さんと青空さんに中国語で話し掛けた。通訳をしてほしいと頼んだみたいだった。
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