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番外編宋さんのお友だち

兄貴がどうしても挨拶がしたいと。ここにいるのは宋から聞きました。いてもたってもいられず会いに来ました。あれは自家用車みたいなものです。お気になさらずに。 「いや、いや、もう充分近所迷惑になっている。頼むからサツの手を煩わせないでくれ」 「すぐ移動させると」 「つまりりんりんは残るということか」 「そういうことです」 「過足と過足の爺ちゃんたちに事情を説明しないとな。なにもこんなところに押し掛けてくる必要はないだろに。人様に迷惑をかけるなって地竜にはっきり言わないとだめだな」 彼がやれやれとため息をついた。 「どうやら私たちの予想の範疇を超える方みたいですね」 「存在を隠すんじゃなくおおっぴらにしている。莫にどうぞ命を狙ってくださいと言っているようなものだ」 「子どもたちだけは守らないといけませんね。弓削さんたちを向かわせたら逆に迷惑になりますし、どうしたらいいものやら」 「困ったもんだ」 橘さんと柚原さんも対応に苦慮しているみたいだった。 「ヘリコプターこっちに来ないですよね?」 嫌な予感しかしない。 「来ないとは言い切れない。廃校になって再利用されずそのままになっている小学校が市内にまだある。ヘリコプターで下りるには充分だ。関係者以外立入禁止の看板があっても連中には関係ない」 「りんりんさん、ハルくんに会いに来たの?早くない?」 チカちゃんが驚いていた。 「愛しの遥琉に一刻も早く会いたかったのでしょうね」 「写真のハルくんと、ほんもののハルくん、どっちがいいって聞こうかな。ノブくん、嫉妬の炎がメラメラだね。なんか楽しそう」 「全然楽しくありませんから。痴話喧嘩は家の外でやってもらいましょう」 橘さんの頭痛の種がまた増えそうだ。

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