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番外編宋さんのお友だち

「莫さんは遥琉さんや組のみんなを警察官を誘き寄せる餌にするつもりでいるのかも知れません。さっきみたいにもし街中で銃撃がはじまったら関係のない人が大勢巻き込まれてしまいます。未来のある若い警察官がまた犠牲になってしまう。もしかしたら莫さんは人が大勢集まる夏祭りや花火大会を狙っているのかも知れません」 「これから夏祭りのシ―ズンですものね。大きな事件が立て続けに起こし人々の不安を煽り、幸せになるためには先祖供養が必要だとか言って胡散臭いセミナーを開くのでしょうね」 「セミナー!?」 チカちゃんが首をかしげた。 「どうしました?」 「いや、なんでもないわ」 「チカさんにとっては何でもないことでも、私たちにとっては大事なことかも知れません。差し支えなければ教えてください」 「実はね、全国を巡って路上ライブをしている二十代の女性ストリートミュージシャンの関係者が、追っかけしているいい年したおじさんたちに投資すれば絶対に儲かるセミナーに参加しないかって勧誘をしている、そんなタレコミがあったの。だからダ―リン、その子が今日の夕方、新潟駅前で路上ライブをするからついでに見てくるって話しをしてたのよ」 チカちゃんが携帯を操作してストリートミュージシャンのSNSを見せてくれた。 「あ、この人……」 橘さんがハッと息を飲んだ。

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